フッ素は、緑茶や海藻類、魚介類など、私たちの身近な飲食物にも含まれている物質です。
私たちの歯の表面では、「脱灰(歯が溶けること)」と「再石灰化(溶けた歯を修復すること)」を繰り返されているのですが、フッ素は再石灰化を促進してくれる働きをしてくれます。
ちなみに、歯科の予防で使用するフッ素は、厳密には「フッ化ナトリウム」といいます。フッ化ナトリウムは、生え始めの歯には特に吸収されやすいので、乳歯から永久歯に生え変わる時期に塗布することでお子様のむし歯予防につながります。
脱灰とは、むし歯菌が歯のカルシウムやリンを溶かすことです。脱灰しても、口の中の唾液に含まれるカルシウムやリンで歯の表面を修復してくれる働きのことを再石灰化といいます。先ほども述べたように、私たちの歯の表面は「脱灰」と「再石灰化」という現象が繰り返されています。
フッ素の正式名称は「フッ化物」と言いますが、一般的に歯磨き粉のCMや広告においても「フッ素配合」と謳われるように「フッ素」と表記することが多く、広く認知されています。そのため、ここでは「フッ化物」を「フッ素」と表記しています。
お口の中では、常に酸の量のバランスが変化し続けています。お口の中の酸のバランスを図る目安として、pH(ペーハー)変化を示したステファンカーブというグラフがあります。
pHとは酸性とアルカリ性の度合いを表したものです。ステファンカーブの見方としては、酸性になるほどpHの数値が下がっていき、歯が溶けやすくなるということを指しています。
例えば、ご飯を食べた後や炭酸飲料を飲んだ後などはpH値が下がるため、脱灰が起こりやすくなります。しかし、時間が経つにつれ、唾液などの作用によりお口の中が中性に戻り、再石灰化が可能になります。
フッ素はこの再石灰化を助ける役目を担ってくれます。酸性である時間が長くなってしまうと、歯が脱灰され続けてしまいます。そのため、お口の中が酸性に傾く時間を、いかに減らせるかが大切になります。
日本で販売されている歯磨き粉にはフッ素の濃度が上限1500ppmで配合されていますが、フッ素濃度が高い歯磨き粉で歯磨きをすることでむし歯の予防効果を得ることができます。
ポイントは歯磨き後にお口をゆすぎすぎないことです。何回もゆすいでしまうとせっかく歯に残ったフッ素が流れてしまいます。お口をゆすぐのは一回くらいで留めておきましょう。
また、唾液が最も少なくなる睡眠中が一番むし歯になりやすいので、就寝前に歯磨きをすると、より効果的です。
日本では、2017年3月にフッ素濃度の上限を1000ppmから1500ppmへ改正されました。500ppm濃度が高くなったことにより、6%のむし歯予防効果があるとWHOの研究でわかっています(※1)。
歯科医院ではフッ素9000ppmと最も濃度の高いものを使用できます。そのため、フッ素配合の歯磨き粉を使用するより効果的にむし歯予防をすることが可能です。
歯科でのフッ素塗布という処置は、お口の中をクリーニングした後、歯にフッ素を塗って終了となります。
意外と知られておりませんが、フッ素は必須微量元素と分類されています。どういうことかというと、健康を維持する上で必要な栄養素と位置付けされてるということです。
乳製品、魚介類、肉類、豆類等いろんなものに含まれていますので(※2)、食事からもフッ素をとりいれることが可能です。
過去には、水道水フロリデーションと言って、水道水にフッ素を含ませるというテストが行われていたこともあります(※3)。
※1)将来的には成人への応用手段として、1,500ppmから5,000ppmの高濃度のフッ化物配合歯磨剤の普及が、歯根面う蝕の効果的な予防を推進することになると考える。
※2)フッ化物は地球上の海の水、川の水、土の中などどこにでも含まれいます。海藻や魚、草や木、虫や、獣など人間の食べるあらゆる食物、そして、人体にもいろいろ含まれいます。私たちが毎日飲む水の中にもフッ素は含まれています。
※3)日本においては、1952年から1965年まで京都市山科地区で水道水フロリデーションが試験研究として行われました。その他に沖縄県(1957~72年)および三重県朝日町(1967~71年)でも実施されていたことがあります。
ネットや雑誌からたくさんの情報が手に入れることができる時代になりました。そういった情報を見た方から、フッ素は危険なのではないかという質問を受けることがあります。
結論からいうと、適正量を使用すれば安全です。科学的に見て、フッ素の使用を制限することよりも、フッ素を使用することによるメリットの方がはるかに大きいです。
仮に歯磨き粉を全部飲み込んでしまっても中毒量には達しません。
ただし、過度に摂取してしまうと急性中毒、 慢性中毒といった中毒症状や、歯の形成期に過度に摂取してしまうと斑状歯などの形態の異常が生じる可能性がありますので何事も適正量の使用が大事です。
むし歯菌が出す酸をフッ素の力で抑制し、脱灰を防ぐ効果があります。これによりむし歯になりづらくなります。
お口の中はアルカリ性と酸性のバランスが常に変化しており、酸性に傾いてしまうと脱灰してむし歯に発展してしまう可能性があります。
しかし、フッ素は、溶けてしまった歯質を再び石灰化することにより歯質を復活させることができます。
フッ素は歯の表面を強化してくれます。歯のカルシウム成分とフッ素が反応することにより、フルオロアパタイトという歯の表面をバリアする物質ができます。これらによりトリプルの力で歯をむし歯から守ってくれます。
特に生えたての大人の歯や乳歯にはとても効果的です。なぜなら、生えたての歯や乳歯はまだ表面の歯質がとても弱く、むし歯になりやすいからです。初期のむし歯を食い止めることで歯の寿命を伸ばせる可能性があります。
歯科医院では、虫歯の予防処置としてフッ素塗布を行っています。歯科でのフッ素塗布は、約3ヶ月程度効果が持続すると言われています。
「子どもの将来のために、フッ素塗布を検討している」という保護者様はたくさんいらっしゃいます。
その中でも多いのが「何歳から始められるのか?」という質問です。
フッ素塗布は上下の歯が4本ずつ生えている1歳半前後の赤ちゃんであれば、フッ素塗布は可能です。
幼児の乳歯は、歯磨きがしづらいという親御さんも多く、むし歯になりやすいため、フッ素塗布だけでなく、シーラント(歯の隙間を樹脂で埋める処置)で守るという方法もあります。
フッ素は毒という思い込みがあると、「子供の歯にフッ素を塗るなんて怖い・・」と考える方もおられますが、前述したように、フッ素は母乳や乳製品など様々な食品にも含まれており、適正量の使用であれば問題ありません。
フッ素は歯の生え始めから生涯にわたり歯を虫歯から守るために有効な成分です。そのため日頃から自身のセルフケアとして、フッ素入りの歯磨き粉などを自ら選んで虫歯を予防する人はたくさんおられます。
しかしながらお子様においては、フッ素入り歯磨きを自ら選んだり、幼いほど虫歯予防のために積極的に何かをすることはできません。大人がそのお手伝いをしてあげる必要があります。
虫歯になりにくい歯を作るには、子供のうちに歯を強くする必要があります。フッ素はその一役を担いますが、それだけでは十分とは言えません。お子様の歯を虫歯から守り、将来に渡り健康なお口を保つには、定期的な予防歯科が必要です。お子様の歯を守るために、積極的に歯医者をご利用下さい。
年齢 | フッ素濃度 |
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歯の萌出~5歳 | 500ppm以下 |
6〜14歳 | 1000ppm以下 |
15歳以上 | 1000〜1500ppm |
曜日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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診療開始 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 |
診療終了 | 18:30 | 18:30 | 13:00 | 18:30 | 18:30 | 17:00 |
診療情報
休診日:日曜・祝日
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | ||||||||||||||
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