なんばアップル歯科 歯科医師
この記事では、唇や舌にできる水ぶくれ「
いま口の中に、口内炎のようなできものがあって、このまま様子を見ていいのか、それとも治療した方がいいのか迷っている方に向けて、判断の目安をまとめています。ぜひ最後までご覧ください。
粘液嚢胞は簡単にいえば、外に出られなくなった唾液が粘膜の下にたまった袋です。中身は血でも膿でもなく、もともと口の中にある唾液です。
唇や頬の粘膜のすぐ下には、小唾液腺(しょうだえきせん=唾液を出す小さな器官)がたくさんあります。小唾液腺は唇だけでなく、頬の裏や舌にも、口の中の粘膜のすぐ下に細かく散らばって存在しています。噛むなどの刺激で唾液の通り道が傷ついたりふさがったりすると、唾液がうまく外へ出られずに粘膜の中へたまっていき、水疱のような状態になります。これを粘液嚢胞と言います。
できる場所は、下唇、舌の先や根元、頬の粘膜が多く、悪性の腫瘍ではないため、痛みが出ることは多くありません。ただし、大きくなると話しづらくなったり、口元の見た目にも影響が出てくることがあります。
唾液の通り道が傷つき、粘膜の下に唾液がたまった状態です
粘液嚢胞は、粘膜の表層近くにできたものは薄紫色に見え、深いところにできたものは周りの粘膜に近い色に見えます。同じ粘液嚢胞でも、深さによって見え方が変わるということです。
大きさは数ミリ程度のものが多く、触るとやわらかく、押すと少しへこむような感触があります。ただし、見た目だけで判断がつかないものもあるため、色や形が気になる場合は一度お口の中を見せていただいた方が良いと思います。
粘液嚢胞は、10代から30代の比較的若い方に多く、40代までに発症することが多いと言われています。男女差はないとされており、お子さまから大人まで、誰にでも起こりうるものです。
「若い人の病気なら、大人の自分は違うのでは」と考える方もおられますが、年齢に関係なくできることがあります。年齢だけで判断せず、できものの様子で考えていただいた方が良いと思います。
粘液嚢胞は、できる場所によって別の名前で呼ばれることがあります。名前は違っても、唾液がたまってできるという点は共通しています。
| 下唇の内側・頬の内側 | 粘液嚢胞(最もよくできる場所です) |
|---|---|
| 舌の先の裏側 | ブランディン・ヌーン嚢胞 |
| 舌の下(口底) | ガマ腫 |
粘液嚢胞ができる原因は、大きく3つに分けられます。いずれも唇や頬の粘膜に繰り返し刺激が加わることで、唾液の出口がふさがってしまうという流れは共通しています。
頬や唇を噛んでしまったり、歯や被せ物などが常に頬や唇に当たっていたりすることが刺激になります。
唇を噛む癖や、唇を吸う癖も原因になります。無意識に繰り返していることが多く、ご自身では気づきにくい部分です。
口内炎で粘膜が傷つくことでも、粘液嚢胞の原因になりえます。
粘液嚢胞は、摘出しても同じ場所に刺激が加わり続けると、再びできてしまうことがあります。そのため、当院では治療そのものだけでなく、原因になっている刺激を一緒に確認しています。
唇や舌にできる「できもの」は、粘液嚢胞だけではありません。見た目が似ているものがいくつかあり、実は歯科医師でも慎重に確認するところです。ここでは、特に間違えやすい2つを紹介します。
唇や頬を噛んでしまった直後にできる、赤紫色から黒っぽい色のふくらみです。中身が唾液ではなく血液である点が粘液嚢胞との違いになります。
多くは数日から1週間ほどで自然に落ち着いていきますが、繰り返しできる場合は、噛んでしまう原因が別にあることもあります。
粘膜がへこんで白っぽくなり、触ると痛みを感じるものです。ふくらむ粘液嚢胞とは反対に、表面がくぼむという違いがあります。
ただし、粘液嚢胞が潰れたあとは口内炎のように見えることがあり、時間が経ってから見ると区別しづらくなる場合もあります。
粘液嚢胞は、潰れることで一時的に小さくなることはあります。ただし、再発の可能性が非常に高く、根本的に治すのであれば、治療法は外科的に切除する他ありません。
外科処置は当院のような「歯科口腔外科」を掲げている歯科医院で出来ることが多いですが、粘液嚢胞の場所や状態によって、何等かのリスクを伴ったり詳しい検査が必要なものは、大学病院等の基幹病院を受診頂く場合もあります。
これは、袋の中にたまった唾液が出ただけで、唾液をつくる部分と、ふさがった出口はそのまま残っているためです。中身が出てもまたたまり、同じ場所でふくらみを繰り返してしまいます。
「潰したらへこんだので治ったと思っていた」というお話も見かけますが、中には潰すたびに周りの粘膜が傷つき、かえって刺激が増えてしまう方もおられます。
清潔でない針や爪で潰すと、細菌が入って腫れや痛みにつながることがあります。また、潰れて形が変わってしまうと、もともとどのようなできものだったのかが分かりにくくなり、診断の妨げになる場合もあります。
気になる状態のまま、そのままお越しいただく方が、正確な判断につながります。
手術といっても、全身麻酔などは不要で、局所麻酔のもと30分ほどで終了します。実際の流れは次のとおりです。
できものの場所・大きさ・硬さを確認し、粘液嚢胞かどうか、他のできものの可能性がないかを診ていきます。原因になっている歯や癖がないかもあわせて確認します。
治療する部分にだけ効く麻酔をします。歯の治療で使う麻酔と同じもので、麻酔が効いている間は、痛みを感じにくい状態になります。
たまった唾液の袋と、原因になっている小唾液腺をあわせて取り除きます。袋だけを取り除いても再発することがあるため、原因ごと取ることが再発を減らすうえで大切です。処置は30分ほどが目安です。
また、縫合したあとの傷が下唇のしわの向きと一致するように切開線を設定すると、傷あとが目立ちにくくなるとされています※1。
※1)「切開線は、縫合した後の傷が下唇の皺と一致するように設定します」(手順3の傷あとに関する記述の出典)
後日ご来院いただき、傷の治り具合を確認します。取り除いた組織を検査に出して、あらためて確認することもあります。再発しやすい場所であれば、刺激を減らす方法もご相談します。
※嚢胞が大きい場合や切開すると何らかのリスクがある場合、精密な検査(組織生検)が推奨されるようなものは、専門の医療機関での受診が必要になります。
粘液嚢胞は誰にでも起こりうるものです。サイズが小さくて気にならなければ経過観察でも十分ですが、サイズが大きかったり、日常に支障がある場合は摘出を推奨しています。ここでは、診察を受けて粘液嚢胞と分かったあとの判断の目安を整理します。
| 経過観察でよい場合 | 摘出をおすすめする場合 | |
|---|---|---|
| 状態 |
|
|
| 対応 | 刺激になっている歯や癖を確認しながら、まずは2か月ほど様子を見て、小さくなる傾向があるかを確認します | 原因の小唾液腺ごと摘出し、再発しにくい状態を目指します |
受診していただくと、まずは状態を確認し、粘液嚢胞かどうか、このまま経過を見ていいものかをご説明します。
そのうえで処置が必要と判断した場合は、局所麻酔での外科処置を行います。原因になっている歯の当たりや癖まで含めて確認し、再発を減らすところまでを一緒に考えます。
ただし、嚢胞が大きい場合や、より詳しい検査が必要と判断した場合には、連携する医療機関をご紹介します。無理に当院だけで進めることはありません。
粘液嚢胞そのものは、命に関わるような病気ではありませんが、見た目が似た別の病気が隠れていることもあり、そこは実際に見てみないと分からない部分です。唇や舌のできものが気になったときは、一度診せていただければと思います。

| 曜日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 診療開始 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 |
| 診療終了 | 18:30 | 18:30 | 13:00 | 18:30 | 18:30 | 17:00 |
休診日:日曜・祝日 ※日曜・祝日診療は下記診療カレンダーをご覧下さい。
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | ||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||
休診日
日曜・祝日診療
13時迄