夫婦・恋人・お子様、愛情表現として何気なく行う「キス」。微笑ましい行為ですが、実はキスで感染る病気もあるのはご存知でしょうか?
こんなことを言うと「キスもできなくなる」と思われてしまうかもしれませんが、気をつけておかなければ相手に迷惑をかけてしまったり、自身で防衛することもできないので、知っておいた方が良い情報です。
ここでは、キスで感染る病気を厳選して3つ紹介しますので、「キスで感染る病気」を知ることで、「キスをするときに気をつけること」を身につけて頂ければと思います。
ヘルペスは感染力が強い感染する病気で、推定で50歳未満の37億人(67%)がHSV-1に感染していると言われています(※1)。そのため、症状が出ている口唇や唾液に接触すると感染する恐れがあります。唾液の交換だけでなく、タオルやコップの共有でも感染すると言われています。
ヘルペスウイルスは一度感染してしまうと。体内(神経の中)に潜み続け、そこで棲息し続ける病気です。そのため、一度治っても体調が悪くなったり抵抗力が落ちた際に再発してしまう病気です。
ヘルペスの治療には、抗ウイルス薬を使う必要があり、使用開始が早いほど、治りも早いと言われています。ヘルペスかな?と思う症状(水ぶくれ、腫れ、痛み、かゆみ等)が現れたら、早めに治療を始めることが大切なります。
※1)世界で、推定で50歳未満の37億人(67%)がHSV-1に感染しています。
対策
前述したように、ヘルペスは感染力の強い病気です。そのため、症状が出た場合はキスを控える必要があります。それだけでなく、タオルや食器なども共有しないようにしなければいけません。つまり、「感染らないために何かをする」のではなく、「感染さないためにできることをやる」必要があります。感染るより、感染さないようにしましょう。
ですから、ヘルペスになったことがある方は、口唇や口のまわりに水疱や潰瘍、ピリッとした痛みを覚えたら、パートナー・お子様とのキスは控えることが原則です。
ご存知ない方も多いようですが、むし歯は感染する病気です。むし歯になるには3つの要因があることが分かっていて(※2)「菌」「糖」「歯質」の掛け合わせで、歯が蝕まれていく病気です。この内の一つ、「菌」の侵入経路がキスになり得る可能性があるのです。
「唾液を交換するようなキス」でなければ大丈夫と思うかもしれませんが、実は軽いフレンチキスでも、唇に菌が付着すると感染する恐れがあるので注意が必要です。だからといって、むし歯菌が口腔内に入ったからと言って必ずしもむし歯になるわけではありません。前述したように、菌が入り、それが育つための糖が口腔内にあって、弱い歯質があればそこからむし歯は発症してしまいます。つまり、糖分をコントロールして、歯質が丈夫であれば、感染してもむし歯にならないこともあるとうことです。
※2)mutans streptococciのう倉虫誘発性状は単一ではなく、multiであることが特徴である. これらのステップのいずれが欠けてもう蝕が発症しないことはmutans streptococciと変異株の系で明らかにされている
対策
キスの前後の口腔ケアは有効です。菌が入ってもその住処となるプラーク(歯垢)や糖分のコントロールがしっかり出来ていれば、むし歯の発症を抑えられます。また、日頃からフッ素入りの歯ブラシを使うことで、歯質を強くすることができますので、むし歯の感染リスクを下げることができます。つまりは、「キスのために特別な対策をする」わけではなく、日頃からのむし歯予防が大切ということです。
それに加え、むし歯ができたら治療が終わるまでキスを控えたり、むし歯ができていないか、定期的に歯科検診を受診することも大切です。
気をつけて頂きたいのはお子様へのキス。通常、人間は生まれたときの口腔内は無菌に近い状態です。これが日常生活の中で、どこかから菌をもらって、むし歯になってしまいます。この原因が、親御さんからのキスや箸・コップの使い回しである可能性は非常に高いと言われています。愛しいお子様にキスをしたいお気持ちは充分わりますが、大切だからことお口の健康を守るため、キスはほっぺやおでこにしてあげましょう。
むし歯と同じく、菌により感染する病気が歯周病です。感染経路は唾液の交換やコップの使い回し、お箸やスプーンの共有など、こちらもむし歯と同じくフレンチキスなどでも感染る可能性はあります。
また、歯周病はとても感染力が高く、日本人でも最もその罹患者が多い口腔疾患と言われています。むし歯と違うのは、サイレントトディジーズ(静かな病気)と言われるほど、気づかないまま進行していくことです。そして日本人における最大の抜歯原因(※3)となっており、多くの人が歯周病によって歯を失っています。もちろん、お子様にも感染る病気で、歯ぐきの腫れ程度から始まり、歯ぐきから出血・膿がでたり、歯ぐきが痩せたり、口臭を伴うことも症状の一つです。
※3)抜歯の主原因別の割合で最も多かったのは歯周病(37.1%)、次いでう蝕(29.2%)、破折 (17.8%)、その他(7.6%)、埋伏歯(5.0%)、矯正(1.9%)の順となった。
対策
歯周病は菌によって進行する病気ですので、口腔内の菌を減らすことが大切です。歯周病菌の住処は、プラーク(歯垢)ですので、毎食後の歯ブラシやデンタルフロス・歯間ブラシはとても有効です。歯科ではこれをプラークコントロールと呼びます。また、歯石は歯垢がつきやすくなったり、歯垢が取れていない証拠となりますので、定期的に検診で歯石が出来ていないかチェックすることと、出来た歯石を除去することも大切になってきます。また、TBIという歯磨き指導を受けることで、パートナーのお口の健康のためにもプラークの除去を心がけた歯磨き方法を身につけましょう。
ただし、いくらプラークコントロールをしても、口の中の菌をゼロにすることはできません。そのため、せめてお子様には感染さないためにも、お子様へのキスは頬・おでこに、お箸やスプーン、コップの共有は控えるようにしましょう。
キスは、愛する人・大事な人との大切なスキンシップです。むし歯や歯周病になるからといって、それを控える必要はないと思います。ただし、最低限相手のことを配慮することは大切です。毎日のセルフケア、キスをする前のエチケットなど、日頃からキスで感染する病気に対する予防を行うことで、大切な人のお口と体の健康を守ることにも繋がります。
また、「お口が臭い」「歯に汚れがついている」など、親しい人でしかなかなか言えないようなことも伝え合うことで、自身のお口の病気に気づくこともあります。もし、相手に口臭を感じたら、ご自身も感染しているかもしれないという疑いを持ち、パートナーと一緒に検診・治療を受けましょう。
そして、何より感染してはいけないのはお子様です。可愛いお子様の無菌状態で生まれてきたお口に菌を入れないためにも、キスやお箸の使い回しを避け、健康なお口の成長のお手伝いをしてあげましょう。お子様へのお口を通じた感染だけは、親御様が責任を持って防いであげることが大切だと考えます。
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