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根管治療は、歯の神経を除去する治療です。これは歯髄に達したむし歯により、炎症や感染を止めるための治療で、歯髄を除去して根管をキレイに消毒し、根管内を埋めることで感染を防ぐことが目的です。この治療は、保険適用内で可能です。しかし、ある論文(※1)では、根管治療の保険診療における再治療率は45%〜70%と、決して高くない数値を示しています。
その再治療の確率を減らすことを目的とした治療が自由診療の精密根管治療です。過去の論文(※2)では、しっかり感染対策を行い、精密に行った根管治療の成功率は、初回の場合で、根管治療(病巣なし)が90%以上の成功率(再発を抑えた)というデータもあります。
根管治療の最も恐ろしいのは、再発を繰り返すたびに成功率が下がっていくことにあります。歯の寿命を少しでも伸ばしたいという思いがあるのなら、一度目の根管治療をしっかり行うことをご検討頂ければと思います。精密根管治療は、単に丁寧に根管治療をやるだけではなく、再発のリスクがより少ない治療が可能になる治療であると考えています。
※2)根管処置歯における根尖部X線透過像の発現率(須田 2011年より)
根管治療をした歯に、菌が入って再発したり、取り残しがあって根管の中で感染を起こすと、「根尖病巣(こんせんびょうそう)」という膿袋ができてしまうことがあります。
歯の根に膿袋ができることで、日に日に痛みが増し、中には発狂しそうなほどの痛みを覚える人もおられます。もちろん、そうなると日常生活に支障をきたすこともあります。
また、根管治療はそう何度もできる治療ではありません。治療を行うたびに歯質は薄くなり、歯根は弱くなってしまいます。歯質が・弱くなった歯根は破折といって、ヒビが入ったり、時には割れてしまうこともあり、抜歯せざるを得なくなります。つまり、根管治療を繰り返すということは、大切な歯の寿命を少しずつ削っていくと行っても過言ではありません。
精密根管治療は従来の根管治療に比べ、むし歯再発や膿をつくってしまうリスクを抑えることができる高度な治療で、器具や機材等も制限なく使用できることため高度な治療を行うことができるため、天然歯の寿命を伸ばせる可能性が上がります。
↑写真は根管治療を繰り返して破折した前歯
※1)参考文献
※2)歯内療法はここ十数年で大きく変化した.最先端の歯内療法では,マイクロスコープ,ニッケルチタンファイル,超音波チップ,マイクロインスツルメント,そしてコンビーム CT などを使用することにより,予知性の高い予後を得ることが可能となっている.
従来のレントゲン撮影では2次元(平面)でしか見ることができませんでしたが、歯科用CT(Computed Tomography)を用いることで、骨の3次元(立体的)撮影が可能になります。そのため、歯科用レントゲンでは見えない小さな歯髄管や形状までしっかり把握することが出来ます。
根管治療において「しっかりと見える」ことはとても重要です。マイクロスコープは、肉眼では見えない部分を4〜20倍まで拡大して観察することが可能な、歯科用顕微鏡です。本来見ることのできない小さな歯髄管も、マイクロスコープならしっかり捉えることが可能です。
根管治療において、最も重要なことは、菌が根管内に入らないようにすることです。通常の根管治療は、口腔内に器具を入れて処置を行いますが、このラバーダム防湿をおこなうことで、根管内に唾液が入ることを防ぐことができます。細菌の塊である唾液にさらされた状態で治療をするのと、唾液の侵入を防ぎ、無菌状態で治療をするのでは、結果は日を見るよりも明らかと言えるほど異なります。
一般的な根管治療で、歯髄を取り除く際に使用する「ファイル」という道具は、ステンレス製の物が使用されます。しかし、根管の形状は湾曲しているものが多く、ステンレスのような素材のファイルは、柔軟性の欠如により歯髄管の置くまで届かなかったり、曲がることが出来ずにそのまま歯質に穴を開けてしまう場合もあります。
精密根管治療では、このファイルにニッケルチタンファイルという柔軟性と強度を持ったものを使うため、歯髄管の湾曲に合わせて変形し、奥までキレイに除去することが可能になります。
精密根管治療は自由診療です。そのため、保険診療に比べると費用は安いものではありません。しかし、それでも、毎月多くの方がこの精密根管治療をご希望してご来院されたり、神経を取る処置が必要になったむし歯の患者様も、カウンセリングにてこの精密根管治療を選ばれる方も1名や2名ではありません。
これは、「歯の神経を取る」ということに対するリスクやその後の歯の寿命を多くの方が理解し、歯を守りたいというお考えの方が多くおられることを示していると考えています。
もし、歯の神経を除去する処置が必要なほどのむし歯や外傷を追った際、少しでも抜髄後の歯の寿命を長くする確率の高い治療をご希望でしたら、一度ご相談にお越し下さい。アップル歯科は、歯を抜かないための治療に力を入れています。
端的に言えば歯髄(歯の神経)を残す治療法です。むし歯が神経に達してしまうほど進行している場合、神経を抜く必要があります。これを抜髄(ばつずい)といいます。リスクとしては、神経を露出させるためにむし歯を削るので、歯質が減るため、神経が残っている歯と比べるとどうしても耐久性が下がるため、咬む力に歯が耐えきれずに割れやすくなってしまいます。
また、歯髄には血管も含まれているため、血液供給も遮断されます。そうなると水分を失った枯れ木とが簡単に折れてしまうのと同じように、歯も割れやすくなります。逆に、神経を残した歯は、取り除いた歯よりも歯質が丈夫です。
つまり歯の神経は残すことに越したことはありません。さらに、知覚が無い状態なので、むし歯が再発ししていたとしても痛みがなく、気付きにくくなってしまいます。このようなリスクを回避するための治療が、歯髄温存療法です。繁殖した細菌が根管部まで達している場合でも、感染した歯髄のみを取り除きます。
MTAセメントとは、生体親和性が高く、封鎖性、抗菌性の3つを併せ持っている歯科材料です。このMTAセメントを歯髄温存療法に用いることで、歯の神経を残すことができる場合があります。
むし歯を取り除いた部分をこのMTAセメントを封鎖すると、神経が生活反応を残したまま(生きたまま)保存すことが可能です。
しかし、全ての根幹治療において適応できるわけではなく、治療の前には必ず、患者様に精密検査を受けていただき、むし歯を除去した後に適切かどうかの判断させていただきます。
前項で述べたとおり、生活歯(歯の神経がある歯)と失活歯(歯髄を失った歯)では歯の寿命や耐久性、細菌感染に対する抵抗力が大きく異なります。そのため、当院では患者様の天然歯をできる限り残したいと考えております。近頃では、MTAセメントによる歯髄温存治療を希望される方も増えてきていますが、どんなケースでも有効というわけではございません。
まずはむし歯を削り、除去して状態を把握する必要があります。場合によっては、歯髄を残すことができない可能性もございます。「自分の歯は今どんな状態なのか知りたい」「できる限り歯を残したい」「痛みをなんとかしてほしい・・・」などといった、お悩みがあれば、まずはお気軽にご相談ください。
MTAによる治療は、実際にはむし歯を取った後でなければわかりません。しかし、一つの目安として、ご自身に自発痛があるのか無いのかが、神経を残せるかどうかの基準となります。自発痛とは、「じっとしていても痛い」ときの痛みです。
自発痛の症状があるということは、むし歯が悪化して神経まで達している可能性が高い状態です。残念ながら自発痛をおぼる程度まで進行していると、神経を取る処置が必要になることが多く、MTAセメントを用いた治療は難しい言えます。そのため、「MTAがあれば大丈夫」とご自身で判断なさらずに、歯に痛みや違和感を感じたらなるべくお早めにご相談下さい。
虫歯を除去した歯です。
ピンク色の点に見える部分が、神経の露出した部分です。
神経を覆うようにMTAを詰めていきます。(白い材料がMTAです。)
セラミックの詰め物をセットして、治療完了です。
治療の内容 | MTAを使った歯髄温存療法とセラミックインレーの治療 |
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期間・回数 | 3週間/3回(カウンセリング・検査含む) |
費用 | 自由診療: 歯髄温存療法 50,000円 (税込 55,000円) セラミックインレー1歯 45,000円 (税込 49,500円) 合計104,500円(税込) |
リスク・副作用 |
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曜日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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診療開始 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 |
診療終了 | 18:30 | 18:30 | 13:00 | 18:30 | 18:30 | 17:00 |
診療情報
休診日:日曜・祝日
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | ||||||||||||||
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