前歯を失ったり、前歯が抜歯になると聞いたとき「前歯はきれいに治したい」と考える人は少なくありません。キレイに治すとなると、希望される方が多いのがインプラント治療です。
しかし、前歯のインプラントは「難しい」とされていて、インプラント治療をやっている医院でも中には「前歯はできない」というクリニックもあります。
これは、前歯を支える歯槽骨という骨が細いためで、その細い歯槽骨にインプラントを埋入するための技術・設備が必要であること、そしてしっかり治療計画・埋入位置を決めるためのCTが必要なことが主な理由となります。したがって、骨造成の経験が豊富でなければ出来なかったり、CTを導入していなければそもそも治療が難しいということになります。
写真①は前歯のインプラントをして、見た目・咬み合わせに違和感を感じて相談に来られた患者様の写真です。
左上の2、3番目の歯がインプラントなのですが、写真の白い線のように、歯頸ラインが左右非対称で、見栄えも悪く、機能的にも問題が生じ始めています。
こうなった原因は、インプラントの埋入位置が悪いためです。
前歯のインプラント治療は、正確な埋入ポジション・骨量の確保・歯肉(歯茎)のコントロール、これらをバランスよく行わければ、審美的・機能的なトラブルを引き起こしてしまいます。
前歯のインプラントをキレイに治療するために、正確な位置にインプラントを入れるのに大きな役割を担うのが、CTです。
しかし、骨量などの問題で、シビアな症例になってくるとCTだけではまだまだ十分とは言えません。1mm場所が違う・10度角度が違うだけで、最終的な仕上がりに大きな差を生まれます。
これを解決するのが、ガイデッドサージェリー と言う、コンピューター上で作成したシミュレーションと案内板を作って、インプラントを行っていくこと方法です。
前歯のインプラントのように、高い精度でインプラント治療をするためには、ガイデッドサージェリーは優れた選択肢になります。
前歯をインプラントにするメリット
前歯をインプラントにするデメリット
前歯を失った場合の治療法としては、インプラント・ブリッジ・入れ歯の3つの選択肢が考えられます。
その中で、保険診療のみでの治療となるとブリッジと入れ歯になります。
ブリッジの場合は中身が金属(パラジウム合金)で表面に樹脂が貼り付けられたもの、入れ歯の場合は金属のバネのような留め金がついているものとなるため、見た目的にはキレイな仕上がりにはならないばかりか、隣の歯を削ったりバネを欠けるため、周りの歯にダメージを与えてしまうことになります。
見た目に関しては自由診療にすることで、ブリッジならセラミックでキレイに仕上げる事が可能です。
チタン製の人工歯根を骨と結合させ、その上にセラミックの歯冠を被せる方法で、構造も見た目も天然歯に近い治療となります。取り外しの必要がなく、セルフメインテナンスも天然歯とほぼ同じ方法となります。
両隣の歯を削って架け橋のようにして間にポンティック(連結部分の歯)を支える治療です。両隣の歯を大きく削る必要があります。取り外しの必要はないものの、歯磨きだけでは連結部分の下にプラークが溜まりやすい構造です。
クラスプという金属のバネを隣の歯に引っ掛けて義歯部分を固定します。食べかすやプラークが溜まりやすいため食事毎に取り外して清掃が必要で、金属部分が目立つため審美性は低いです。自由診療でクラスプのない入れ歯もあります。
前歯のインプラントは、臼歯に比べて費用が高くなることが多いです。これは技術料として加算されるところもあるかもしれませんが、そもそも治療に必要な材料が少し多くなるためでもあります。
例えば当院の場合、前歯のインプラントには骨造成の費用を一定量含んています。インプラント埋入時に適宜骨補填材を使用するため、想定以上に骨造成が必要な場合を除き、骨造成込みでの費用となるため、臼歯に比べ税抜で3万〜8万円程度高く設定しています。3〜8万の幅は、患者様がどの程度審美性をと求めるかによって異なり、技工料という歯を作る費用によって決まります。
前歯の技工は歯科技工士が職人技で作るため、精度の高い仕事をする技工士に依頼するほど技工料は高くなり、前歯は特に費用がかかるためです。
例)当院の前歯のインプラントの治療費
1歯 40万〜45万円(税込440,000〜495,000円) ※トータルフィー(検査・手術・インプラント本体・型取り・被せ物等インプラントに関わる全ての費用込)
前歯のインプラントの期間は、3〜6ヵ月程度になります。複雑な骨造成必要になる場合、骨がしっかりできる期間を待つため、1〜2ヶ月程度長くなる場合があります。
治療回数は相談を除き、①検査・②抜歯と埋入手術(その後免荷期間)・③抜糸・④二次手術(インプラントの頭出し)と型取り・⑤被せ物のセットで最短5回となります(本来は精密仮歯が入ることが多いため6回になることもあります)。
しかし、通常はそこに他の歯の治療や、免荷期間中の周りの歯のメインテナンスで来院もさられるので、6〜7回程度の通院が必要になります。
ただし、喫煙習慣がある方や極端に顎の骨の状態が悪い方の場合、免荷期間が伸びることがあります。
インプラントは前歯に限らず注意していただきたい点があります。
一つは喫煙者の方にお願いしたいのが、治療前後の禁煙(できればこれを期に禁煙しましょう)です。インプラントは数字的にも予後の長い治療ですが、当院で治療したインプラントがロスト(抜け落ちる)したほとんどの原因は、喫煙が要因となっています。喫煙はニコチンによって血流が阻害されることで治癒を遅くし、一酸化炭素によって酸素の供給阻害されるため顎骨や歯肉に行く栄養が行き渡らなくなり、インプラントと骨との結合を遅らせます。
もう一つはプラークや咬合力のコントロールをすることです。インプラントは感染や咬合力によって結合が阻害されます。
プラークとは歯垢のことで食べかすや歯についた汚れに溜まった細菌の塊で、しっかり歯磨きをすることでその量を減らすことができます。咬合力はナイトガードというマウスピースをはめて眠る習慣を付けていただければ、インプラントだけではなく、他の歯も噛む力による擦り減りや破折を防ぐことができます。
前歯のインプラント治療にあたり、多くの方が気になっておられるのが治療中の仮歯の有無についてです。インプラント治療は概ね半年近くかかりますが、その間「歯が抜けた部分はどうなるのか」というのは、誰もが気になる問題です。
しかしご安心下さい。インプラント治療中、土台の上に仮歯を立てれるようになるまでは、メリーランドブリッジという接着ブリッジを装着します。
そのため、インプラント治療中に歯がない状態というのは見た目上避けることができます。
ただし、メリーランドブリッジは通常の仮歯よりも強度は弱いものとなります。ブリッジ部分で噛んだり、指で押したりすると外れることもありますので、なるべく「使わない」「触らない」ようにしていただくことが、ブリッジ脱離のトラブル予防となります。
前歯のインプラントは、過去に「出来ない」と言われたり、「難しい」という話を聞いて、不安になられる方も多いと思います。
しかし、しっかりとした設備と技術を歯科医院側が備えていれば、100%ではないものの、治療可能な場合が多いです。
とはいえ、前歯のインプラントは、治療は出来ても技術力や被せ物の精度によって、見た目や顔の印象に大きく異なります。
「自分の場合はどうなのか」「治療について不安がある」という方は、まずはお気軽にご相談にお越し下さい。
73歳男性、虫歯(C4)で抜歯となった歯(右上1番)の前歯部インプラント治療。
Before
After
治療の内容 | 右上1番インプラント抜歯即時埋入術、左上1番ダイレクトボンディング。 |
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期間・回数 | 6ヶ月・6回(カウンセリング・検査含む※予防除く) |
費用 | 自由診療:プレミアムインプラント✕1歯 450,000円+ダイレクトボンディング1歯30,000円 (税込528,000円) |
リスク・副作用 |
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曜日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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診療開始 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 |
診療終了 | 18:30 | 18:30 | 13:00 | 18:30 | 18:30 | 17:00 |
診療情報
休診日:日曜・祝日
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | ||||||||||||||
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