「八重歯(やえば)」とは、不正咬合の一つである叢生(ガタガタの歯並び)の中でも、犬歯が唇側に傾いたり、位置がずれてしまっているものを総称してそう呼ばれています。
過去には、アイドルなどでもチャームポイントのように扱われたこともある八重歯ですが、これは日本における独特の見方のようで世界的に見ると「八重歯=可愛らしい」というイメージはあまりありません。
また犬歯はお口が適切に機能するためにも重要な役割をもっており、犬歯が正常に噛んでいるという状態がお口の健康を長持ちさせるために大切だと言えます。つまり八重歯があるということは、正常に噛んでいないということになりますので、お口の健康を長持ちさせる妨げになるということをまず理解しておく必要があります。
歯が並ぶスペースが足りないことが主な原因ですが、スペースが足りなくなる要因として以下のものが挙げられます。
などが考えられます。八重歯が他の歯よりも外側に生えるのは、犬歯が前歯の中でも最後に生えてくるため、スペース不足によるずれが大きく出てしまうのです。
八重歯によって起こるリスクは様々です。
「飛び出ている八重歯だけ抜けばいいのでは…」という声も時々耳にしますが、安易な抜歯は要注意です。前述の通り犬歯というのは噛み合わせにおいて非常に重要な役割を担っています。基本的に八重歯に始まる不正咬合の治療は矯正治療が適応になります。矯正治療にもワイヤーを用いた「マルチブラケット矯正」、マウスピースを用いた「invisalign」や「invisalign go」等のマウスピース型矯正装置などが矯正治療の選択肢となります。
どの装置による矯正になるかは、患者様の希望もありますが、顔貌、骨格、歯の大きさ、スペースの広さ、歯列の状態など精密検査を行ったのち、矯正医が治療計画を立てる上で症例ごとに最も適した方法が選択されます。
八重歯は「歯が並ぶスペースがない」ことも多いため、矯正治療の際は抜歯矯正(歯を抜いてスペースを確保する方法)も検討する場合もあります。
八重歯で悩む人にとって、その違和感や見た目の問題は大きな物です。そのため、「八重歯を抜いてしまいたい」「矯正するなら八重歯を抜歯すれば早い」「八重歯を削って唇にあたらないようにしたい」というご要望を仰る方も少なくありません。
しかし、八重歯は歯を横にずらした際、上下の犬歯が当たることで奥歯を守る役割があり、長い歯の根で咬み合わせの要となる歯です。抜いてしまうと他の歯の将来的な寿命にまで問題が起こります。また、本来犬歯は食べ物をすり潰す際などに顎の動きによる衝撃を受け止める役割も持っているため、矯正治療で本来の役割をもたせることがベストな治療だと考えれます。
また、粘膜に当たるからといって「削って薄くする・先端を丸める」こともあまりよくありません。将来的に矯正することを考えるなら、天然の犬歯を良い状態で残しておくために、矯正終了まで我慢しましょう。
八重歯を矯正する場合
最も歴史の長い治療法で、歯の表面に「ブラケット」と呼ばれる装置を装着し、そこに形状記憶合金からできたワイヤーを通すことで歯列を正していきます。基本的に固定式の装置になるため、治療期間は装置がついたままになります。ワイヤーの太さや形を調整しながら歯を動かしていきます。
マルチブラケット矯正と同じ原理で歯を動かす装置ですが、大きな違いはブラケットやワイヤーを歯の裏側につけることです。装置が裏側にあるということで、正面から見てもよどほ大口を開けない限り矯正装置は見えません。ただし、舌側に突起物があると滑舌に問題が出るという大きなデメリットもあります。
マウスピースを用いた矯正治療です。矯正装置も従来の模型から作成するものではなく、データ(光学印象)を撮るだけで作成できるなど、原理も方法も従来までの矯正とは大きく異なります。目立たず、痛みも少なく、始めやすい装置ですが、アライナーの装着時間に依存するため患者様の協力が必須となります。
近年、海外に倣ってこれまで「チャームポイントだ」と思っていた八重歯を、「治療したいコンプレックス」だと仰られる方も増えてきています。中には、よく調べずに「抜いて欲しい」「削って被せ物で凹ませたい」という方もおられます。
しかし、前述の通り八重歯に対する治療の第一選択肢は「矯正治療」です。もし、あなたもその八重歯を治療したいを思うことがあれば、一度歯科医に相談してみましょう。
矯正治療というのは複雑な治療であるがゆえに、医院によって治療方針が様々です。他院で抜歯矯正と言われた症例も、もしかすると抜歯をせずに治療できるかもしれません。「治療したいけどワイヤーは見た目が気になるな」という方も、別の方法があるかもしれません。当院では八重歯の矯正治療の経験も豊富で、得意とする治療でもあります。もし1〜2ヶ月に1度、通える距離にお住まいでしたら、まずは相談だけでも気軽にお越しください。あなたの希望をお伺いした上で治療法をご提案致します。
赤線で囲んだ八重歯が1年でキレイに治まりました。
Before
After
治療の内容 | マルチブラケットシステムワイヤー矯正による叢生の歯列矯正(矯正用アンカースクリュー1本使用) |
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期間・回数 | 1年1ヶ月・20回(カウンセリング・検査含む) |
費用 | 自由診療:マルチブラケット矯正+矯正用アンカースクリュー✕1本 総額 765,000円(税込841,500円)(調整料15回分含む) |
リスク・副作用 |
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曜日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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診療開始 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 | 9:30 |
診療終了 | 18:30 | 18:30 | 13:00 | 18:30 | 18:30 | 17:00 |
診療情報
休診日:日曜・祝日
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | ||||||||||||||
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休診日
日曜・祝日診療
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